Summer Rain
公開日:2015/07/17 更新日:2015/07/17スーパーに寄って買い物を済ませる。
外に出ると、さっきは降っていなかった雨がポツポツと降って来た。
それからほどなく、豪雨になった。
アイスを食べ始めると、女性がスーパーの自動ドアからこちらに歩いて来て、僕の目の前を通り、右隣のベンチに座った。
「今降って来たんですか?」
女性が僕に声をかけてきた。
突然だったが、あまりに自然な流れで聞かれ、こちらもスッと答えることができた。
年齢は30代ぐらいか。色白で、目が細く、優しそうな女性だった。
手には折り畳ではない、普通の傘を持っていたが、靴が濡れるのがイヤだったのだろうか。
困ったような、愛くるしい笑顔を見せ、
両手で口を押さえながら、続けて話す。少し興奮しているようだ。
「そろそろシャッター閉めますので、こちらから外に出ていただけますか。」
店員の声をきっかけに立ち上がる二人。
傘を差しながら歩き、女性に挨拶する。
ベンチの前にいた彼女は、少し困ったような表情で微笑んで見えた。
それはまだ梅雨が明けない、夏の雨の出来事だった。
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