【バットマン vs スーパーマン】エヴァと同じ「◯◯◯◯」というテーマに臨んだヒーロー映画(映画ネタバレ感想)
公開日:2016/04/13 更新日:2020/02/09予告編を見て、「この組み合わせはないわー。てか、戦う必要ないし。どっちも正義ちゃうんかい!」と思いつつも、「どんな展開になるか、ちょっと見てみたい」と思って見てきました。
後輩には「そんな見たいっすか?」と言われつつ。
バットマン対スーパーマン見てきた。面白かったけど、とにかく長い!!!バットマンとスーパーマンの軋轢を見せるための時間が長すぎ。後半の展開が怒涛すぎて、疑問に思うところも。しかし、バットマンの基地はホント憧れるわ。男のロマンが詰まった映画だね。女の子はわからなかったんじゃないかな?
バットマン対スーパーマン見てきた。面白かったけど、とにかく長い!!!バットマンとスーパーマンの軋轢を見せるための時間が長すぎ。後半の展開が怒涛すぎて、疑問に思うところも。しかし、バットマンの基地はホント憧れるわ。男のロマンが詰まった映画だね。女の子はわからなかったんじゃないかな?
うーん。なんというか微妙な映画になってしまったなという印象。。
そもそもなんで戦うか、という動機やストーリー、テーマが疑問に思うところが多く、うまく収束できていないように感じた。
そんな映画「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」の内容と疑問点、よかった点を振り返りつつ、感想と考察を書いていく。
目次【記事の内容】
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」の概要
2016年製作/152分/G/アメリカ
原題:Batman v Superman: Dawn of Justice
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:ザック・スナイダー
制作総指揮:クリストファー・ノーラン
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」のキャスト
ベン・アフレック、ヘンリー・カビル、エイミー・アダムス、ジェシー・アイゼンバーグ
映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』世紀の対決編 予告【HD】2016年3月25日公開
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」のあらすじ
バットマン(ベン・アフレック)は、両親の殺害現場を目撃したという過去のトラウマから犯罪者一掃に力を注ぎ、一方超人的能力を持つスーパーマン(ヘンリー・カヴィル)は、その力を人類のために惜しみなく使ってきた。だが、その破壊力の強大さゆえに、スーパーマンは人々からバッシングを受けるようになり……。
シネマトゥデイ
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」の感想・考察
いきなり結論
今回、予告編を何回かテレビでちらっと見ただけで、それ以外は何も調べずに見たんだけど、まぁ想像通りの展開、まぁまぁの映画でした。
こういうアメコミ、アクション映画好きな男子はいいだろうけど、これで1,800円ははっきり言って高い。
デートで来てるカップルも結構いたけど、これはどう考えても女子つまらないだろう〜〜〜となんだか不憫に思ってしまった。
なんせ2時間半。2時間超えると、質というか飽きさせない展開がめっちゃ問われるけど、そこも展開が読めすぎて飽きちゃう、という残念さ。期待値は超えなかった。
自分の中の「DVDで大丈夫な映画」カテゴリにきれいに分類されました。後輩よ、お前は正しかったかもしれない。
舞台は前作『マン・オブ・スティール』の続きから
『マン・オブ・スティール』ざっくり解説
2013年に公開した映画で今までの続編ではなく、物語の始まりから描いたリブート(再始動)作品となっている。要は新シリーズ第一弾。
惑星クリンプトンが崩壊の危機に瀕している中、ゾッド将軍がクーデターを起こし、ジョー=エル、ララ(スーパーマンの両親)はカル=エル(スーパーマン)の身を守るため、地球に送る。その後、カル=エルは地球で養子として育てられるが、ゾッド将軍が侵略をしに地球にやってきて、地球を守るためにカル=エルがスーパーマンとして立ち上がる、というストーリー。
なるほどなるほど…って
2年前の作品から話つながってんのかーい!!
そら予備知識ゼロで臨むのは無謀だわ…。結果「なんでいきなり端っから全力バトルなの!?」と開始早々、疑問が。もうちょっとおさらい入れてくれてもいいのに。
たぶん今回初めて見た人はまったくわからなかったと思う…。
ただ、疑問はあったけど、「のっけからのアクション」+「スーパーバトルの目撃者視点」で物語には引き込まれたので、このときは期待しながら先行きを楽しみに見ていた。
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」のストーリー
『マン・オブ・スティール』でゾッド将軍とスーパーマン(クラーク・ケント役/ヘンリー・カヴィル)が対決するところから舞台は始まる。地球を守ろうとするが、あまりの力の強大さに街は崩壊していき、人類の被害も甚大に。
その場にいたブルース・ウェイン(バットマン役/ベン・アフレック)もまた部下や大切な仲間を失くし、多くの人が犠牲になるのを目撃し、憎しみを募らせていった1人だった。
時が経ち、スーパーマンは相変わらず地球のため、一部の人々を救い、平和を守り続けるが、「地球外から来た異星人」として排除しようとする世論も大きくなってくる。
スーパーマン自身も自分の力、存在について、どうすべきか苦悩を抱えていく。
そんな中、スーパーマンの彼女、ロイス・レイン(エイミー・アダムス)がジャーナリストの仕事のため外国へ取材に行った際に事件に巻き込まれてしまう。
一方、ブルース・ウェインもある事件を追っている。それはどちらも、レックス・ルーサー(ジェシー・アイゼンバーグ)が仕掛けた罠につながっていく。
キャスティングはベン・アフレックとジェシー・アイゼンバーグが相当反対意見が出たが、中年のヒーロー役とサイコ役がしっくりきていて、よかった。
とくにジェシー・アイゼンバーグはすごい役者だな〜と痛感。バットマンとスーパーマンに対峙するには若すぎた感はあるが、演技力で持ってってる。
なんというか、トリップするタイプ。『ソーシャルネットワーク』のときもそうだったけど、自分の世界に持っていく感じが良くて、イっちゃってる役がどハマりしてた。
そもそも、なぜバットマンとスーパーマンが戦うのか?
宣伝がすべてこの「世紀の対決」という方向で、タイトルもそうなってるけど、注目集めるためだけで実際は全然違います。
むしろ、「バットマン&スーパーマン 世紀のコンビ」とした方がしっくりくるんじゃね?
2人が戦う理由を説明しようと、冒頭からブルース・ウェインの闇(両親が暴漢に襲われ、殺される)を執拗に描き、悪に対する憎しみを丁寧に描いてきたけど、スーパーマンに対して憎しみを持つ感覚があまりリンクしなかった。
やっぱり今まで[スーパーマン=ヒーロー]として見てきたからかな。スーパーマンを悪役っぽく見せる演出も全体的に無理があるように感じて、入ってこなかった。
そして、何よりバットマンがスーパーマンを追い詰めるシーンで、「マーサ」というお互い同じ名前の母親がいたことを知って、とどめを刺すのを止めるのも
「思いとどまる理由そこ!?」
とちょっと驚きました。
バットマンはレックスが仕組んだことだと、そこまで気づいてたんだろうか?ここら辺から一気にドタバタ展開でいろんなこと忘れてる気がする。
いろいろ引っかかるところ、疑問が多い
見ていて何かと引っかかる部分が多い映画でした。たとえば、
・途中バットマンがレックス社から「クリプトナイト」を奪おうとして、車で追うシーン。
スーパーマンが出てくるけど、このときはスーパーマンは何を運んでて奪おうとしてるのかわかってたのか?登場シーンがまるで用心棒のそれみたいだったから、違和感を感じた。
・レックスが計画に失敗し、トチ狂って自分の血をゾッド将軍に流すシーン。レックスは血を与えれば、復活するとどこから学んだのか?研究から?そして、なんであんなに強いモンスターができたのか?
・ラスボス戦、「クリプトナイト」を仕込んだ槍が必要だとバットマンが言うが、それにいち早く気づいて、取りに向かったのはなぜか遠くにいたロイス。どうやって気づいた?
などなど。俺が見落としてただけかもしれません。
「人は理解できないものを恐れる」というテーマ
「人は理解できないものを恐れる」という『エヴァンゲリオン』と同じテーマだったなと。バットマンはスーパーマンを恐れているゆえに争ってしまう。
エヴァンゲリオンでは、人間が使徒を未知の、悪い者だと勝手に決めつけ、攻撃を開始する。
まだ何もしていないのに。
そして、「使徒」を倒さないといけないのか、と気づいているのは碇シンジだけ。
バットマンとスーパーマンが戦う必然性を描こうとするあまり、冗長な展開になり、後半はそのテーマに対して何の解決も見出さないまま、うやむやのままラスボスと戦うことになる、というなんとも釈然としない収束のさせ方だった。
また、強すぎる力はどこに向かうべきか、というアベンジャーズと同じ方向でもあったけど、ギャグも一切なく、全体的にシリアスでトーンが暗い。
それでいて、2時間半と長いので、よけいに辛かった。繰り返しのシーンは奇しくもベン・アフレックが出ていた『アルマゲドン』と同じで飽きてしまいました。。
もっとエンターテイメントらしくていいのに。DCコミックっぽさを出したかったのかな。
変にシリアスなため、法廷シーンでスーパーマンが出廷したときは、なんかリアリティと空想のギャップがあって、むしろ面白かったです。
「スーパーマンが法廷にいる」て。
んな、アホな。吹きそうになりました。唯一のギャグシーンだったかもしれん。
あと、口コミの中で[スーパーマン=核兵器]と見立ててる人がいたけど、それよりはアメリカを示唆していたように感じた。
強すぎた権力、最後に正義を見せる、倒れたように見せて、最後復活するあたりなんか、もろ「強いアメリカの復活」を伝えたかったのかとさえ思ってしまった。
今年、大統領選あるし。トランプも似たようなこと言っててオーバーラップしました。
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」の好きなシーン
あまり面白くなかった体で語っていますが、いいシーンもありました。
男の永遠のロマンを詰め込んだ「バットマンの基地」が相変わらずテンション上がるのはもちろんとして。
とくに好きだったのは、[スーパーマン=神]と描かれていて、この映画は「神」と「人間」の物語を描いているわけですね。
2つの世界の物語。そんな中、最後スーパーマンが命を懸けて守ろうと決意したとき、ロイスに伝えるわけです。
“You are my world.(君が僕の世界だった)”
これはグッときました。異星人、別の世界の人間と虐げられてきた「神」にとって、愛する女性、そして共に暮らすこの地球が自分が守りたかった世界だった。
スーパーマンが一人の人間として描かれ、「神」と「人間」の世界が一つになった素敵なシーンでした。
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」のクリエイティブ
アイアンマン崩れのバットマン衣装はともかくとして、ポスターなどのグラフィックはすごくよかった。
バットマンとスーパーマンのそれぞれのシンボルを相手の目線に入れて示唆したり、対決の意図と表現がとてもマッチしていてかつ、かっこよかった。
ジャスティスリーグ
見たあとでネットで知ったけど、これは「ジャスティスリーグ」っていうDCコミックス版アベンージャーズみたいなやつのシリーズなんだって。
だから、途中で「ワンダーウーマン」とかいう謎の女戦士が出てきてたのか。「誰だ、こいつ?」と思ってたからね。
今後どんな展開になるかわからないけど、今度は期待をいい意味で裏切ってくれるといいな。今度の4/29に『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』もやるみたいだけど、こっちも楽しみですね。
【2016/6/19 追記】
「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」見てきたのでその感想はこちらから。
【シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ】ヒーローたちのオールスター大感謝祭!! (映画ネタバレ感想)
まとめ:やっぱり『スーパーマン リターンズ』は名作だった
ワーナー・オンデマンド配信中『スーパーマン リターンズ』予告編
これだけ書いてきてなんだけど、こう思ってしまった。
バットマンは「人間」だし、闇を抱えて生きてるから、『ダークナイト』みたいに苦悩とか葛藤を描いてもハマるけど、こういったファンタジー路線の方がスーパーマンにはやっぱり合ってる気がする。
だって「神」だし。
なにより、この映画のロイス役のケイト・ボスワーズが最高にかわいい。これに尽きる。
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