【デザインの解剖展1】来場者想いのわかりやすさと力の抜け具合が面白い「デザインの解剖展」レポート
公開日:2016/10/21 更新日:2020/01/26なんとなく、美術館に行きたいなと思い調べたところ、六本木の21_21 DESIGN SIGHTで「デザインの解剖展: 身近なものから世界を見る方法」という展示会がやっていて、概要読んだら面白そうだったので、行ってきました。
目次【記事の内容】
「デザインの解剖展: 身近なものから世界を見る方法」とは
21_21 DESIGN SIGHT では、2016年10月14日より、企画展「デザインの解剖展: 身近なものから世界を見る方法」を開催いたします。
私たちは日々、数え切れないほど多くの製品に囲まれて生活しています。大量に生産された品はあたり前の存在として暮らしに溶け込んでいますが、実は素材や味覚、パッケージなど、製品が手に届くまでのあらゆる段階で多様な工夫が凝らされています。それらをつぶさに読み解いていくのが「デザインの解剖」です。
「デザインの解剖」は、グラフィックデザイナーの佐藤 卓が2001年より取り組んでいるプロジェクトで、身近な製品を「デザインの視点」で解剖し、各製品の成り立ちを徹底して検証する試みです。本来の「解剖」が生物体を解きひらき、構造や各部門の関係、さらには条理を細かに分析していく行為であるように、ここではデザインを解剖の手段として、とりあげる製品のロゴやパッケージのレイアウトや印刷などのグラフィックを解析し、製品の内側の仕組みまで細かな分解や観察を重ねます。
これまでに「ロッテ キシリトールガム」、「富士フイルム 写ルンです」、「タカラ(現:タカラトミー) リカちゃん」、「明治乳業(現:明治) 明治おいしい牛乳」、「ISSEY MIYAKE A-POC BAGUETTE」などの製品が解剖され、それぞれ一般的に紹介されることのなかった部分が引き出されてきました。原料や製法、製品管理から流通に至る幅広い要素が掘り下げられることで、私たちが知っていると思いながら、知らない多くのことに気づくきっかけをもたらしています。また、佐藤 卓が教鞭をとった武蔵野美術大学 デザイン情報学科では教育プログラムの一環としても、身近な品々の解剖が続けられてきました。
本展では、これまでに蓄積されてきた解剖の成果を紹介するとともに、新たに「株式会社 明治」の5つの製品に着目します。参加作家には、様々な分野で活躍する若手のクリエイターを招き、子どもから大人まで楽しんでいただける展覧会を目指します。本展は、製品を取り巻く世界はもちろん、社会、暮らしとデザインの関係について、さらにはデザインの役割や可能性について、改めて深く考察する機会となることでしょう。
いきなり、この説明。「おぉ、そうか」と納得する。この展示会、とにかくわかりやすい
大きな「写ルンです」を真っ二つにして中を解剖する
アプローチの仕方も、きちんと説明している。律儀
最初はこれから。
この展示会で紹介している商品のスキャン映像。これが一番初めにあるので、何だろう?と疑問を持ったまま展示を見ることになる。単なる目次じゃなくて、興味を持たせるようになってるところがよくできてる
ここからの展示について
「本展は文章が多く、全部読むととても時間がかかります」。ここから展示が始まる、というのにこのゆるさ。素敵。これを見て、みんなクスクス笑っていた
まずは、「きのこの山」から
たしかに凄まじい文章量。ちょっと読む気になれない…
でも、大丈夫!こんなに短い要約があるから、最悪ここだけ読めばよいのだ
ロゴの変遷
実物作っちゃった
椅子並みの大きさ
ものすっごい大きい「きのこの山」。みんな思わず写真を撮っていた
かと思えば、こんな小さいものもある。かわいい
パッケージに映ってた田舎の風景をミニチュアで再現。こういうムダが素晴らしい
ビッグデータ分析も
これは「きのこの山たけのこの里」Webサイトで使われている色相・彩度・輝度を表したもの。黄色や緑が中心に使われているのがわかる。取るに足らない対象だが、大掛かりにやると意味があるような気がしてくるから不思議だ
同Webサイトの各ページの言葉の使用頻度とつながりの頻度を表している。何やら言葉は「形態要素解析」というものを用いて、品詞ごとに解体しているそう。よくわからないが、宇宙みたいで美しい
アップになるとわかるが、「meiji」という言葉がよく使われているため、色が濃くなっている。この線の先は「チョコレート」という言葉につながっている。これがセットでよく使われている、という意味だ
また何だか意味ありげなものが出てきた
今度は同サイトのリンク構造。同階層のリンクは円で、階層間のリンクは曲線で表している
遠くから見るとものすごい難解な数式っぽいけど、書いてある言葉は「チョコ」とか「ヨーグルト」。このギャップがたまらない
一つの記事では長くなってしまったので、続きは別の記事で。
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